COLUMN 『服の向こう側』 vol.51 / RING JACKET Napoli  green short blouson








 

ナポリ企画の打合せに何度もNapolliに行っているが、毎回無理にでも時間を作って新しい工場を見に行く。

すぐに取引しなくても、、、しばらくしてから『そう言えば、あそこの工房だとこの仕様の商品が作れるかも???』
となることが多いからだ。


 

今回の工房も実は、2〜3年前に行ったところだった。

当時はすぐに何かを始める、、、という事はなかったが、
カジュアルアイテムを展開していくならとても良い工房だなと思っていた。


 

この工房は、ナポリのクラシッククロージングメーカーのカジュアルアイテムを生産していて、
工房内では有名ブランドの商品が所狭しと並んでいる。


 

モノ作りにうるさいクロージングブランドが認めたカジュアル生産工房というのも良かったが、
それよりも気に入ったのは『良い意味でナポリ臭くないクリーンな表情』だった。


 

「ナポリ=手仕事でアジがある」

と皆思い込んでいるが、、、本当にそうだろうか?

 

勿論、間違いではない。

しかし、ナポリ中の全ての工房が「程良いアジ」というわけではない。
コテコテにディフォルメされた「ハンド」を売り文句にするサルトリアや工房も珍しくなく、
「ただ手で縫っているだけでセンスがない(格好良くない)」ところも多くあるのだ。





クリーンさの中に程良いアジを入れたかったので、衿やポケットにダブルステッチを施すなど色々と仕様にもこだわっている。


 



 

少し大きめの衿とポケットが良い雰囲気だ。

70’sショートブルゾンのイメージだが、それほどやり過ぎではなくサラリと着れるようにアレンジしている。





 

内側は、背中側だけ裏地にして身返し側(前身頃の裏側)は表地を使っている。
ここを裏地にした方がコストを抑えられるのだが、
表地にすることでブルゾンにありがちなクタッとして安っぽい感じになるのを防いでいる。
程良い厚みが良い雰囲気に仕上がっている。


 

また、生地も良い。

vintageのE.Zegnaのコート用生地を探してきて使っている。

480gと程良いウェイト。

 

表記はウール100%ながら「カシミア混?」と疑いたくなるようなzegnaならではの柔らかな手触りと上品な微光沢。

グリーンの色目も抜群。今季の提案カラーである forest greenを象徴するようなカラー。

 

こういったカジュアルブルゾンは、安価な生地メーカーを使ってコストを調整するところも多いが、、、

本気の生地セレクトである。

 

RING JACKET Napoliが提案するカジュアルブルゾン。

何処にも無い逸品が出来たと思う。





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From RING JACKET creative div.manager Okuno


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