24年春夏 新作 ナポリの風を感じるハンドシャツ編【服の向こう側】vol.54

24年春夏 新作ナポリの風を感じるハンドシャツ編
【服の向こう側】vol.54 -前編-

24年春夏 新作 ナポリの風を感じるハンドシャツ編【服の向こう側】vol.54

スーツ、ジャケットを中心としたドレスクロージング全般を扱うRING JACKETのofficial movie channel。
高品質なメンズクロージングの紹介を中心に様々な情報を発信していく。

今回はこちらに並んでいるドレスシャツ、ナポリメイドのドレスシャツをお届けしたいと思います。

RING JACKET Napoliとは?

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RING JACKETではRING JACKET Napoliっていうレーベルを展開しています。
この動画をご覧いただいてる方はご存知かと思うんですけど初めてご覧いただく方もいらっしゃるかと思いますので簡単に説明させていただくと、RING JACKET Napoliっていうレーベルはメイドインジャパンのスーツ、ジャケットを作ってるRING JACKETがイタリアのナポリを始めとした職人たちと競業コラボレートしてモノ作りしているレーベルです。
シャツやネクタイ、あとトラウザース、ブルゾン類アウター類も含めてナポリの職人たちと色々と取り組みながら作り上げているレーベルになります。

何故ナポリなのか?

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RING JACKET Napoliっていうレーベルがナポリを始めとしたイタリアの職人たちとRING JACKETの競業によって生み出されるレーベルとお伝えさせていただいたんですけど、中にはなぜナポリなのか?
ナポリってベスビオ火山があってナポリを見て死ねって言われるぐらい観光地というかすごい綺麗な港町があって、とそういったイメージで思われる方も多いかと思います。
それがなぜRING JACKET、メイドインジャパンのテーラードスーツ、ジャケットを中心に展開してるブランドがナポリという名前のレーベルを付けてまで展開しているのか、不思議に思う方もいらっしゃるかなと思います。

というのもRING JACKETは1954年に創業して今年で70周年を迎えるんですけど、それまで様々な服を研究してきました。
アメリカ、イギリス、イタリア、フランスなど色んな服を分解したり、中を研究したりパターン、どういった見せ方やどういった作り方、そういったものを掘り下げてずっとやっていたんですけど、その中で出会ったのがイタリア、ナポリの服でした。
それまで色々研究していくと全く違ったのがナポリならではの柔らかい雰囲気、ボタンホールを手で仕上げていたりもそうですし、ラペルの柔らかい返り方、手仕事ならではのステッチワーク、生地に糸が沈み込むような雰囲気など、そういったものはこれまで色々研究したスーツやジャケットの中にはないような、ナポリならではのこの柔らかさや味、そういったものがあったんですね。

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そこに感銘を受けたRING JACKETは、ナポリの服を研究しようということでイタリア、ナポリの服を追いつけ追い越せという形で長年研究をしながらその中でRING JACKETならでのエッセンスを取り入れながらミックスして今では、RING JACKETならではのスタイルっていうのが出来上がっていきました。
そういったストーリーがあるのでやはりナポリ、イタリアの手仕事の職人の街と言われているモノ作りの街と言われてるナポリの服、そういったものに大きく影響を受けてきたRING JACKETはそれに合うシャツを作りたいなと思ってRING JACKET Napoliのシャツを始めました。

RING JACKET Napoliのレーベルは今いくつかアイテムを多岐に渡って広がっていってるんですけど、実はそういった形で始まった通り、RING JACKETのスーツ、ジャケットに合うシャツってどういうものだろう?とそれを追求した結果、このナポリメイドのシャツを始めようとなっていったので実はRING JACKET Napoliのレーベルは最初、このシャツから始まっています。
なので非常にシャツに対してのこだわりだったりとか思いっていうのがありますので、その辺りもこの後詳しくお伝えしていければなと思います。

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日本製ではなくナポリ製になった理由

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ナポリのシャツ、ナポリならではのモノ作り、柔らかさ、そういったものが込められたシャツ、それとRING JACKETのテラードジャケット、スーツが相性いいんでそちらに力を入れて取り組んでいるとお話しさせていただいたんですけど、実はRING JACKET、やはりメイドインジャパンのテーラードスーツ、ジャケットを中心に展開するブランドなので、実は当初、メイド イン ジャパンのシャツを作っていました。
もちろん、メイドインジャパンのマシンメイドのシャツも非常にクオリティが高くて、実はイタリアとかいろんな国のマシンメイドのシャツ、いろんないいシャツもあるんですけどまメイド イン ジャパンも決して負けない、いいマシンメイドのシャツができるかなと思って追求していました。

実際にクオリティもすごくいいかなと思ったんですけどやっぱりでも端正な顔付きのマシンメイドのシャツっていうのももちろん悪くはないんですけど、ナポリメイド、ハンドメイドの手作業を駆使したシャツならではの、この柔らかい雰囲気、ふわっとした表情っていうのはやっぱりRING JACKETのスーツ、ジャケットとやっぱり、ナポリシャツが相性がいいんじゃないかってところでナポリの方で作り始めました。
というのも、前に日本製のシャツでマシンメイドのもやってたんですけど実はメイドインジャパンのブランドなんでメイドインジャパンのハンドメイドのシャツを最初は作ろうと企画してたんですけど、なかなかこれがうまくいかないんですよね。

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やっぱりあのナポリの街が何がいいかって言うとハンドメイド、手作業のインフラが整ってるっていところがあって、どういうことかというと、ナポリであっても、どこの土地でもそうなんですけど、シャツっていうのはベースの組み立て自体は工房で仕上げてやるんですけど、そのパーツパーツの手作業の部分、そこは結構、内職という形で家に持って帰って、ボタンホールを作ったりとかまつり縫いのところ手作業で仕上げていくっていう工程があります。

RING JACKET Napoliのレーベルは今いくつかアイテムを多岐に渡って広がっていってるんですけど、実はそういった形で始まった通り、RING JACKETのスーツ、ジャケットに合うシャツってどういうものだろう?とそれを追求した結果、このナポリメイドのシャツを始めようとなっていったので実はRING JACKET Napoliのレーベルは最初、このシャツから始まっています。
なので非常にシャツに対してのこだわりだったりとか思いっていうのがありますので、その辺りもこの後詳しくお伝えしていければなと思います。
いい職人さんがいるかどうかってところでそのシャツメーカーだったりとか、そのブランドの生産背景というかその良さが出てきます。

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その一方で日本では内職仕事、家に帰って内職をするっていう時代はあったかと思うんですけど、現代では中々そういった内職仕事、手仕事っていう文化がかなりなくなってしまったので日本でハンドメイドのシャツをしようと思うとベースの部分はもちろん工場で組み立てになるんですけど、手作業のまつり縫いの部分などが修理屋さんに出したりとか、専門のところに出して手作業して、それをまた戻してきて組み立てるみたいな形になるので意外と高くつくというか、結構難しいとこがあるんですね。

あと1つ、職人さんていうところでも日本の職人さんだと割ときっちり丁寧にやるっていうのが強くあります。それはそれですごく良いことなんですけど、手作業のハンドメイドの味っていうのが中々出にくかったんですね。
やっぱりナポリならではの味っていうのは少し不完全な美というか不揃いならではのこのステッチワークが何とも言えない味になるっていう部分があるんです。そこがなかなか難しいなというところがあって、じゃあメイドインジャパンっていうのに変にこだわり過ぎずに手仕事のインフラが整ってる産地、RING JACKETが求める柔らかいラペル、ハンドステッチ、そういったものに合うシャツっていうのはどこで作るのがいいかなと思った時に、じゃあナポリで作ろうということになりました。

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長年マシンメイドのシャツ、メイドインジャパンのシャツも10年以上作ってきたんですけど、ナポリの方でモノ作り、RING JACKETのジャケット、スーツに合うハンドメイドのシャツを作ろうと作り出してもう10年以上ですかね、経過しています。
ハンドメイドならではの味、雰囲気があるシャツを作っているので、その辺りの雰囲気やディテールをこれからお話しさせていただきたいと思います。

ナポリの陽気さが製品に

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じゃあナポリシャツ、RING JACKET Napoliシャツならではのディテールをいくつかご紹介させていただければなと思います。
話し出すと本当にこだわってというかもう10年以上、このナポリメイドのシャツ作り続けてきてるんで色々あるんですけど、代表的なディテールをいくつか今日はご紹介させていただければなと思います。

やはりナポリシャツならではのこの表情、一番分かりやすいのが袖山のギャザーですね。
RING JACKETのテーラードのジャケットの方もそうなんですけど、雨降袖って言われてる袖山の分量ですね、見頃側のアームホールと袖山の分量を簡単に言うと1対1で作ると綺麗にはまるんですけど、それをあえて袖側の方の分量を多く取ることによって袖付けが難しくなるんですけど、うまく付けることによって、小さいものに大きいものつけてるんでこのギャザーが入るんですけど、ただその見た目の味というか雰囲気があるっていうだけではなくて動きやすくなるんですね。

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分量が大きくなるので可動域が広くなるというところで非常に着心地のいいというか、ジャケットになります。このシャツの方も同様に袖側の分量を多く取って付けていってるのでここのギャザー、ここがふわっとした柔らかい雰囲気になります。
この付けた所ここのまつりですね、ここを手で止めていくのでシャツ1枚になった時にこのマシンメイトのシャツだとここが本当にミシンがターっと走ってるだけなんですけど、この手縫いの箇所を入れていくことによってこう絶妙なこの味が出るんですね。この表情がすごくいいかと思います。
この辺りのこの雰囲気、これナポリシャツならではのものかなと思います。

であとここの雰囲気も抜群にいいんですけど、あのここ不揃い最初の話の中でも少しお話しさせていただいたかと思うんですけど不完全な美というか、このギャザーの入り方、これ見ていただくと分かるかなと思うんですけど実はこれ左右でちょっとずつなんか違うかなと思うんですよ。
それがいいんですよね。なんかこう全く同じように作るっていう方がある意味簡単というか、指示さえすればできるし型紙さえそういう形になってれば割とどの工場でもどこの産地でも、そういった形で作り上げやすいんですけど、やっぱりナポリならではの、良い加減というかナポリの太陽と海と風がこの雰囲気に仕上げるかなと思われるような、このギャザーの入り方、左右で違ったりステッチの感じも厳密にいうとちょっと違うかなっていう分もあるんですけどそれがなんかこう不完全な感じでいいかなと思ます。

24年春夏 新作 ナポリの風を感じるハンドシャツ編【服の向こう側】vol.54
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実際ナポリに何度も足を運んで縫ってるお父さんとかお母さんと話しながら行くんですけど最初ちょっと日本のマシンメイドの話もさせていただいたんですけど、やっぱり日本でそれが悪いってわけじゃないんですけど国民性という部分もあるのかなと思うんですけど、黙々と日本の職人さんとかだと黙ってこうずっとこう丁寧に丁寧に綺麗に綺麗に縫うのを黙々とやるっていうイメージがあります。
それに対してナポリのお母さんたちは行くとなんか本当に音楽を聞きながら、話しながら楽しそうに縫ってるんですね。で私が見に行った時も「あなた日本から来たの?」て言いながらこっち向きながらこう縫ってるような感じなんで、そんなタイミングで喋りかけられたりとかするとちょっとこう縫ってるとこもずれたりするんですよね。

でもなんかそれがちょっとしたこう陽気なナポレターナが縫うとステッチも陽気に踊ってるようなステッチになるというか、綺麗な丹精なハンドステッチっていうのももちろんいいんですけどちょっと陽気なナポリの空気というか風というかそういったものがこのステッチワークにも現れるような表情になるので、きちっとした丹精なシャツを求めの方はマシンメイドのシャツの方がいいかなと思うんですけど、やっぱりナポリならではのシャツというと不揃いならではの良さ、ハンドメイドならではの良さ、内職のお母さんだったり職人さんが楽しそうに笑いながら縫ってる様、それがこのギャザー、袖回り、そこに宿ってきてるかなと思います。
これはね逆に指示しても出来ないですね。ナポリならではのあの空気感、あの土地でないと出来ないようなこの表情かなと思います。

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